1 記念事業の趣旨
① 幣原喜重郎は、1872年(明治5年)大阪府門真市豪農の家に生まれました。東京帝国大学法科大学を卒業後、農商務省に入ったが翌年(1896年)外務省に転じ、外交官として本省と在外公館のポストを往来し、駐英大使館参事官、駐オランダ公使などを歴任しました。この間、1903年に岩崎彌太郎の四女雅子と結婚。1919年に原敬内閣で駐米大使となり、1921~1922年のワシントン会議には日本首席全権としてまとめ上げました。1924年からは外務大臣として、国際協調と善隣友好を基調とする、いわゆる〈幣原外交〉と呼ばれた国際協調主義的な政策を展開した。しかし、軍部からは軟弱外交として攻撃されました。
終戦直後に発足し50日で崩れた東久邇内閣のあと、1945年10月に事実上戦後の総理大臣として就任した幣原重郎は、GHQから指示された、いわゆる五大改革指令=①婦人参政権の付与②労働組合結成の奨励③学校教育の自由主義化④秘密警察の廃止⑤経済の民主化=を実行しました。また、天皇の「人間宣言」をみずから起草するとともに、戦争への反省と平和への願いをこめて戦争放棄を規定する憲法を制定しました。
② これまでの史実を見た限り、大阪出身の首相は幣原喜重郎、唯一人であると私たちは考えています。特に敗戦直後の混乱期において、我が国の進むべき道を模索するなか、幣原喜重郎は50年近く歩んできた外交姿勢、すなわち国際協調を基本とした平和思想を生かして、新しい憲法にも示してきました。その憲法が施行されて70年以上が経過しましたが、この間の研究で、憲法の戦争放棄・戦力の不保持の条文の発案は、幣原喜重郎であったことが、最近発見された資料でも明らかになりました。2022年には、幣原喜重郎の生誕150年を迎えます。その記念すべき年に、幣原喜重郎の功績等をまとめ、門真のみならず、大阪、全国、世界へ幣原の意思を発信する記念事業を進めていきたいと考えています。私たちは、幣原喜重郎に関係する方々やその意思に共感する方々に、この「記念事業」に賛同をいただき、ご参加いただくよう、心から呼びかけるものです。
2 記念事業の目的
⑴ 幣原の史実、功績を調べ、明らかにする。
⑵ その事実を、門真市民はもちろん、大阪、全国、世界に発信する。
⑶ 幣原の意思「戦争放棄・戦力の不保持」など反核平和の願いを後世につないでいく。
⑷ これらを通じて、門真市の「地域おこし」の一環として、提言する。
3 記念事業実行委員会の構成
⑴ 世話人、事務局、会計、会計監査
⑵ 実行委員事務局に次の班を置き、事業の進行、会議の設定、各班の調整などを行う。
① 幣原軌跡班-幣原の史実・功績を調べてまとめ、その史実等を発信するための、資料の作成や報告会の諸準備を行う。
② 企画班-幣原の史実や功績を発信するためのイベントやDVD、出版物等の計画を策定する。
③ 広報班-ホームページの作成、報道機関等への働きかけ、資料提供を行う。
4 記念事業への概ねの流れ
⑴ 2018年9月13日~2022年9月(約4年間) 記念事業にむけた催しと諸準備
① 第1期 2018年9月14日~2019年9月13日
② 第2期 2019年9月14日~2020年9月13日
③ 第3期 2020年9月14日~2021年9月13日
④ 最終期 2021年9月14日~2022年9月13日
⑵ 2022年9月13日(火) 生誕150年記念事業開催
幣原喜重郎研究者達によるパネルディスカッションなどを予定する。
⑶ 第1期 2018年9月14日~2019年9月13日の主な事業等
① 映画「しではら」製作委員会(DVDの作成)
・2018年10月オーディション
・2018年12月 クランクイン 撮影 編集
・2019年8月 完成予定
② 『映画製作委員会』の資金と事務局要員の確保
・クラウドファンディング
・制作協力金の呼びかけ
③ 実行委員(事務局)の要請
④ 記念事業のホームページ作成、イベント等の計画策定
⑤ 幣原軌跡班による史実・功績をまとめ、出版物の作成や報告会の開催
⑥ 幣原家親族との面会と記念事業の賛同要請
⑦ 記念事業に対する著名人等への賛同要請計画
⑧ 記念事業を進めるための資金計画と寄附金要請計画